遭遇する過ち -商談-

遭遇頻度:高
品質影響  : ★★★★★
コスト影響 : ★★★☆☆
納期影響  : ★★★★★

概要

IT界隈の商談では、商談する側・される側のスキルレベルがマッチすることは稀。一見会話が成り立っているようで、実は成り立っていないことが多くあります。これは、契約後に「そうじゃなかったのに」という多くの不幸を生むことを意味します。発生する要因は3つで、負の影響度合いはこの掛け算です。

  1. IT業界・IT用語の難易度の高さ
    IT業界にいる人間ですら全部を理解できないし、同じ理解が難しい
  2. IT・デジタルに関する選択肢・論点・決定事項の多さ
    お金さえかければなんでもできちゃうからこその悩み
  3. ITが無形であるが故の勝手な暗黙の期待
    ITだからなんでもできるだろうと言う勘違い・妄想・思い込み
    (AIの登場でこの傾向が加速)

それっぽい判断しているようで、よく調べると資料の見た目や営業の人柄、プレゼンといった、本質とは関係ないところで決めていること多々。多くの人が途中で真っ当な検討を諦めちゃう。厄介なのは、この辺りを知った上でずるくやろうとする会社や人が一定数存在するということ。

繰り返される過ち

肩書と実力

名刺にある肩書と実力は、あなたが認識しているそれと異なります。あなたの会社の部長と相手の会社の部長の位置付けは異なっていると認識していた方がいい。役職の前に「担当」がつく場合はさらに注意が必要。商談に肩書を持った偉い人が出てくるのは、本気度を表す・見るにはいいですが、その程度くらいがちょうど。本質的には、商談内容に関係ない。

綺麗な絵

特にコンサルは絵(パワポ)がうまい。とにかくうまい。でも、ごまかされてはダメです。「1+1=2」「赤信号は止まれ」という、とても当たり前のことを、かっこよくそれっぽく書いているだけの場合があります。綺麗な資料と内容は必ずしも一致しませんが、やはり綺麗な資料の方が、読みやすいし理解しやすいのは事実。

しゃべりがうまい

特に注意するべきはコンペの提案会。プレゼンが上手いな、すごいな、いけるな・・・と感じても、話している人が営業の場合は注意が必要。実行するのは技術部隊で、実はPMのアサインはこれからです・・・と言うのはよくある話。しゃべりが上手いのと、提案内容や実現性は別です。

有名な会社・大きい会社

安心感という意味ではアリです。名誉にかけて逃げたりしいませんし、お金を持っているので、最悪ある程度の損も許容できる。ただ、社名とそこで働く人は明確に切り分けた方が良い。特に、大手コンサルなんかは、よく聞くと1ヶ月前に入社しました、それ以前は普通に開発やってました、みたいなはケースはざらにあり。

綺麗なオフィス

インパクトのあるエントランス、綺麗なオフィスと会議室。期待が膨らむモデルルーム。お金がある会社だと、ビルの中なのにトンネル潜ったりとか、壁だと思っていたところがドアだったりとか、透明なガラスがボタン一つで曇りガラスになったりとか。あなたの商談の内容には一切関係ありません。