クライアントサーバシステム

概要

1つのサーバがあって、複数のクライアントがネットワークで接続されたシステム構成こと。「C/S」「クラサバ」と表記することあり。1980年代以降に普及。

5つのポイント

サーバとクライアントはネットワークで繋がっている

サーバは親、クライアントは子の関係

サーバは高性能なCPUや大容量メモリが搭載されている

サーバ「1」に対してクライアントは「多」の関係性

クライアントには専用のアプリケーションがインストールされる

なぜ、サーバが必要か?

ひとりで仕事をする分には必要ないです。複数人で仕事をしたり、企業でITを有効活用しようと試行錯誤した結果、クライアントサーバという考え方が生まれました。この考えが生まれた理由は3つ。

注意

以降の文中に「サービス」「ITサービス」という言葉が出てきます。ITを利用して私たちの役にたつことがあれば、それはITから提供される「サービス」(総称して「ITサービス」)と言います。

❶みんなでおなじITサービスを受けるため

全員が同じITサービスを受けるための方法は2つ。

案1:1つだけ存在するサーバにあるITサービスをみんなで使う。
案2:複数存在するクライアントにあるITサービスをそれぞれが使う

案2は「バージョン」「設定」「ハードウェアの違い」などで、必ずどこかで差が発生し、現実的ではない。ITの世界で同じもの・同じようなものが複数あるというのは、冗長化という観点を除いて基本無駄。

よって、みんなサーバにあるITサービスを使ってね。これがクラサバで一番やりたいこと。

❷ITにかかるコスト(調達や管理)を抑えるため

メモリなどハードウェアの強化、24/365対応、定期的バックアップ、OSやパッチの適用などをサーバという1台だけを考えるか、複数存在するクライアントを考えなければならないか、どちらが手間がかからないか。複数の場合は、調達はもとより管理の手間、お金などが台数が増えるだけかかるということ。

1台のほうがメンテナンスは効率いいよね。

❸役割を分けてITを有効活用するため

クライアントサーバシステムでは、クライアントに専用アプリケーションがインストールされ、それぞれ個別の見た目や細かい処理を行う。これにより、サーバでやること・クライアントでやることの役割分担ができ、目的に合わせたITリソースの有効活用が可能。

みんなで共通のことと、個別で自由にの両方をいいとこ取り。

Webシステムとの違い

抑えるポイント

  • 構成・考え方は似ているが、使っている技術要素は異なる
  • Webシステムのクライアントはブラウザで、できることはブラウザでできることが限界
  • 全体的にクラサバは企業内、Webシステムは多くのユーザー向け

偽Webシステム(偽SaaS)

世の中、クラサバの構成をIaaS上に構築しSaaSと謳っている製品あり。見極めは以下。

  • サーバへの接続方式がVPN接続とかいったら100%偽
  • ブラウザで表示されているのに、なんか古臭いのはクラサバの画面設計の証拠
  • なんだかんだで、クライアントに何かインストールが必要